【四コマ】相席募集

2017年09月24日

でたらめモンスター図鑑[プークプック]



名称:プークプック

系統:怪人系

生息地:真のグランゼドーラ








特徴①


おうえん」で自らのテンションを上げる。

テンションが上がると自我のコントロールが不能になるため、戦闘相手のパーソナルスペースに入り込み、めちゃくちゃ唾を飛ばしながら喋る。

「なんかぁ、なんかぁー、この角笛、こないだ死んだ父ちゃんの左角で作ったんだけど、めちゃくちゃラム肉の匂いするwww食った事ないけどwwww」


などと、非常にリアクションしづらいネタをかましてくる。

こういう場合、笑っても笑わなくても怪我をする事になるのでおうえんを始める前に一気に倒してしまおう。




通常ドロップ:まほうの小ビン

レアドロップ:大きなツノ(父の右角)





特徴②


プックは、生まれつき上半身に毛が生えない事から、小学校でイジメをうけ、引きこもりとなる。

なにもやる気が起きず、起きている間はだらだらとネットサーフィンをする毎日。

教育熱心だった父とは幾度となく衝突し、今となっては顔を合わせる事もなくなっていた。


そんなある日、ネットに投稿されているアマチュアミュージシャンの音楽と出会う。

そのミュージシャンは、元々学校に行っておらず、読み書きがほとんど出来ない。

けれど、音楽だけは独学で勉強し、ギター1本でとても綺麗なメロディを奏でていたのだ。



プックは、その姿に衝撃を受け、自身の自堕落な生活を恥じた。

そして、意を決したプックは、父親の書斎へ向かう。


「父さん、入るよ・・・」


父は、驚いた顔でこちらを振り返った。


久しぶりに見た父の顔は、プックの知っている父の顔ではなかった。

頰は痩けて青白く、書斎の机には大量の薬が並べてある。

呆然と立ち尽くすプックに、父親はこう告げた。

「ごめんな、プック。父さんはもう、長くないらしい」

「せめて、お前が独り立ちするまで持ってくれればいいんだが・・・」




本当は、音楽を始めたいと思っている事、楽器を買って欲しい事、今まで迷惑をかけ続けてきた父に、心から謝りたいと思っている事。


沢山言いたい事があったのに、父に抱き寄せられたプックは、胸の中で静かに涙を流す事しか出来なかった。


父の葬儀が終わり、遺品を整理していると、書斎の引き出しに小さい箱があった。


「プックへ」と書かれたその箱には、父の物と思われる角と手紙が入っていた。


「プック、お前は音楽の道を望んでいるのだろう。毎日部屋から聞こえてくる歌声を聞きながら、お前が将来どんなミュージシャンになるのか想像していた。とても幸せな時間だったよ。ありがとう。お前の音楽で世界中の人々を笑顔にしてやってほしい。父さんはいつまでも、お前の事をおうえんしているよ。」


羊の角は、加工すると最高級品の楽器になるという話を聞いた事がある。



父はプックの夢に気づいていたのだ。





プックは角笛を手に取り、外へ飛び出す。

呼吸を整え、大きな音で笛を鳴らしてみた。



とても綺麗な音色が響き渡る。



しばらくすると、遥か遠くの星空から「おうえん」の音が聞こえた気がした。


「父さん、ありがとう!」

プックは、とびきりの笑顔で空に向って手を振った。






〜完〜


 





oosama5412 at 14:55│Comments(0)つかじょ | 妄想

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